
先日ドイツにて行われた卓球の世界大会。平野選手の頸胸椎の動き、特に右肩甲帯の動的な柔軟性を低下させる骨性の制限(肋椎?、第1/第2胸椎右椎間関節?、右頸胸椎移行部?)が見られて、
パフォーマンスが通常よりも落ちているのでは??…と漠然と記憶していたところ、TVスポーツ番組で、大会直前に右肩を負傷したことを告白していた。
写真のようにYoutubeにて平野選手の金メダルを取ったアジア大会の動画をチェックしてみたが、
やはり右肩甲帯周囲の制限により動的な可動域が狭まっていた。
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・【世界卓球2017ドイツ】女子シングルス準決勝 平野美宇 vs 丁寧(中国)第5ゲーム
https://www.youtube.com/watch?v=6uhAvqnNEb8
・アジア選手権2017 丁寧 VS 平野美宇
https://www.youtube.com/watch?v=-UqVdQCF4F8
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恐らく、
直前の負傷のタイミングで「バキッ」といったと本人が訴えていたことから、椎間関節などの骨性の咬み合わせが狂っていただけのものだろうと想像できるだけに、
卓球日本代表にそれを治せるトレーナーがいなかったことは悔やまれる。
多分、違和感などを感じつつも、あれだけ動いて大会に参加し続けられたことから、
組織の損傷はなかったものと想像できる。
組織損傷のない急性外傷に対する対処療法
- アライメントを矯正
- 痛みにより縮み上がった組織をほぐしたり
- キネシオテープにより固定処置=不動にしていたことによる“組織間の癒着”をリリース
- 続く痛みにより痛覚の下がった閾値を正常化させる
…
いろいろできただろうだけに
通常のパフォーマンスをだせれば違った結果になっていたかも知れない。
後日談だけに、無責任に鑑別もできる材料が揃っているわけでもないのを承知の上、
1.組織損傷のない非常に軽度の肉離れや
同じく、
2.組織損傷のない咬み合わせのズレ(脱臼と表現すると大げさに捉える方が大半ですのでこちらの表現にしました)
上記のいずれの際にも、かなりの確率で直ぐに競技を再開できる技術があることを現場の選手や監督に知ってもらいたい。

Table tennis or ping pong
組織の損傷がなかった場合の「RICE処置」
このときに改めて検討してもらいたいことが、「RICE処置」である。このケースでは「RICE処置」が復帰を遅らせる要因になり得る。
組織損傷がなく、炎症が起こらないところでの「RICE処置」により、健康な細胞まで循環を悪くすることにより細胞活性が極端に落ちます。それによる影響により、場合によっては、組織間/組織内で癒着や拘縮がおこり、局所抵抗力も落ちてしまう。。。
組織損傷のない外傷受傷時には、「RICE処置」を何も考えずにやってはならない。
以上、気になったトピックスとして平野選手の右肩について感想を紹介させてもらいました。
批判等、ご意見頂けると幸いです。
【参考】
・【世界卓球2017ドイツ】女子シングルス準決勝 平野美宇 vs 丁寧(中国)第5ゲーム
https://www.youtube.com/watch?v=6uhAvqnNEb8
・アジア選手権2017 丁寧 VS 平野美宇
https://www.youtube.com/watch?v=-UqVdQCF4F8
#平野美羽